kohnoのブログ

アクセスカウンタ

zoom RSS 米の全量検査とその信頼性について

<<   作成日時 : 2014/01/21 18:08   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

米の全量検査とその信頼性について
2013/10/7 河野 益近
2013/10/12 (補足) 

福島県のホームページ[1]と検査に使用されている島津の検査器FOODSEYE[2]を見てみると、福島県の米の検査は5秒くらいの測定になっています。FOODSEYEのカタログによれば、米30kgを5秒測定すれば国の基準である100Bq/kgを超える米を見つけることが出来るように書かれています。実際に福島県もスクリーニングレベルを100Bq/kgとしています[3]。
[1] http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=A0E6D233AF9B919BA7143FE95C0B81A2?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=35675
[2] http://www.an.shimadzu.co.jp/prt/foodseye/index.htm
[3] http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=87DD319A8B7CB344FBC112AB23D71993?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=36549

 次に気になるのは、FOODSEYEが表示する米の放射能の値(Bq)が正しいかどうかということですが、100Bq/kg以下の数値は不正確です。基本的にスクリーニングをパスした30kgの袋入りの米は100Bq/kg以下であるということはいえますが、この米は○○Bq/kgだと言うことはできません。表示されている○○Bq/kg付近がその値なのですが、2倍ずれているかもしれないし3倍ずれているかもしれません。もっとずれているかもしれません。よりきちんとした値を出す(スクリーニングレベルを下げる)ためには測定時間、すなわちコンベアーのスピードを遅くする必要があります。カタログではレベルを50Bq/kgにするには15秒かかると書いてあります。100Bq/kgが5秒なら理屈では50Bq/kgにするには20秒かかります。善意に解釈すれば、実際に100Bq/kgをチェックする時間は4秒ほどなのかもしれません。かりにスクリーニングレベルを10Bq/kgにしようとすると375〜500秒ほどかかるはずです。
また同様の方法で30kg入りの米袋以外のものを測定した場合は、100Bq/kg以下であるということもいえません。30kgの袋入りの米専用の測定器です。スクリーニングをパスした測定対象の米袋(30kg)に入っている放射能の総量は3,000Bq以下ということになります。


【補足】
コメを紙袋のまま、コンベアに乗せた状態で放射性物質が測定できるのか・・・
袋のままだと放射線の種類(α線、β線、γ線)によっては測定できません(α線、β線)が、ここで対象とされている放射性セシウムはβ線の他にγ線も放出しています(β線もだしているのですよ)。このγ線は透過力(物質を透過する力)が強いので放射性物質の含まれている米自身や袋を通り抜けて袋の外へ出てきます。そのγ線を検出器で測定するので、放射性セシウムを袋の上から測定することが出来ます。
 移動するコンベアに載せた米袋からγ線を検出できるかどうか。答えは検出可能です。米に含まれる放射能の量とコンベアの移動する速度によって検出器が感知する放射線の数が異なるので、検出限界値(検出下限値)は異なってきます。簡単に頭の体操をすれば、コンベアの速度が0ならば通常の測定、1時間に1cm移動するコンベアを5秒間測定してもほとんど動かないので測定可能であることは理解できると思います。コンベアの移動速度を徐々に上げていくと検出限界値(検出下限値)は、放射能を含むお米が検出器の検出範囲にある時間が短くなる(測定時間が短くなる)ので、悪くなっていきます。おそらく30kgの袋を5秒間で測定すると検出限界値(検出下限値)が100Bq /kgになるようにFOODSEYEは設計されているのだと思います。
 検出限界値(検出下限値)をチェックしているだけなので、検出限界値(検出下限値)よりも低い放射能は意味を持たない数値になります。この数値は検出限界値(検出下限値)以下の値なのですから・・・。
 ちなみに、文部科学省が行った航空機によるモニタリングは、この場合と逆で、飛行機に積まれた検出器のほうが移動していきます。(「線量当量分布 拡大サイト」http://ramap.jaea.go.jp/map/

【参考】
検出限界値、検出下限値
最近は検出下限値のほうが使われています。定量した放射能の値が意味を持つかどうかの境界を示す値。放射性物質が無い場合でも自然の放射性物質(ウラン、トリウム、カリウムなど)の影響で、測定器が放射線を感じて信号を出します。放射性物質が無いときに測定される放射線をバックグラウンド放射線あるいは単にバックグラウンドと呼びます。放射性物質からの放射線の放出は統計現象(放射線は規則正しく放出されているわけではありません、一定の時間測定すればある決まった値に近づいてきます)なので、バックグラウンドの値には統計的なバラつきが含まれています。
 試料を測定してバックグラウンドのバラつきの範囲を超えた数の放射線が検出された場合、その試料に「放射性物質が含まれている」ということになります。一般にバックグラウンドの数の3σ(シグマ)の統計誤差(この3σが放射性物質の放射線の数だと仮定して計算した放射能の値)が検出限界値、検出下限値として使われています。1σはバックグラウンドの数の√(ルート)で与えられ、3σはその3倍であらわされます。バックグラウンドの数は測定時間に比例して増えていくので、3σの値も増えていきます。3σの増え方はバックグラウンドの数の√ですから、測定時間の√に比例することになります。検出限界値、検出下限値はこの3σの値から求めた放射能の値なので、3σ(測定時間の√に比例)を測定時間で割った値すなわち測定時間の1/√に比例することになります。わかりやすく言うと、時間を4倍にしても検出限界値、検出下限値は1/2にしかならないということです。検出限界、検出下限値を1/10にしようと思えば、測定時間は100倍かかることになります。
 測定限界値、測定下限値は測定試料ごとに異なります。それは測定試料に含まれる自然の放射性物質の量が異なることによって、バックグラウンドの値が変化するためです。検出限界値、検出下限値は試料の測定ごとに求めておく必要があります。

福島県の学校給食の基準
2012年9月17日付朝日新聞地方版(マイタウン福島)に福島県内の学校が採用している学校給食の放射能の基準が載っているようです(放射線被曝から子どもを守る会・多賀城 http://ameblo.jp/tagajyomiraie/entry-11358701440.html)。(示されているリンク先では記事が読めなくなっているので、まだ実際の記事を見ていません。)
 朝日新聞デジタルを購読されている方がいれば記事を確認していただけないでしょうか。
画像


---------- 2014/2/1(追記)----------
「2013年9月17日付朝日新聞地方版」ではなく「2012年9月17日朝日新聞地方版」でしたので日付を訂正しました。
以下がその記事です
2012/9/17 朝日新聞・朝刊 地方版(福島中会)
学校給食放射能、国より厳しい独自基準 11市町村で強化経験 朝日新聞調査/福島県

 学校給食に含まれる放射能について、国より厳しい独自の基準を設けている46市町村のうち11市町村が、これまでの検査で独自基準を超える経験をしていた。韓国や県外産の食材で超えた町もあって。ほとんどが食材の除外や交換で対応したが、学校給食の現場ではいまも緊張が続く。
 朝日新聞が今回実施した全市町村教育委員会へのアンケートで「独自基準を超えたことがある」と回答したのは、会津若松、いわき、白河、須賀川、相馬、二本松の6市、国見、矢吹、矢祭、三春の4町と玉川村。いずれも食品衛生法に基づく国の基準「一般食品で1キロ当たり100ベクレル」には達していなかった。保護者の理解を得るため、厳格な基準を設けていることによる減少だった。
 20ベクレルを基準にするいわき市では、1月にみかんから20ベクレル、2月にはキウイフルーツから39ベクレルの放射性セシウムが検出された。ミカンは代替品が手配できなかったが、キウイはカリフォルニア産のオレンジが用意できると分かり、事前に基準値以下であることを確認した上で提供した。

 ●県外・韓国産からも
 「基準超え」は県内産の食材からだけではなく、思わぬところからも。
 三春町では昨年12月、県外産のきのこが基準の20ベクレルを超えた。みそ汁の具材だったため、だいこんに切り替えた。矢祭町では韓国で取れたサワラから4月に22ベクレルを検出し、別のサワラを購入し直した。
 会津若松市は、自前で調達した食材で基準を上回ったことはないが、公益財団法人の県学校給食会(福島市)から7月に仕入れた梅干しと冷凍大豆が、独自の基準を超えた。同会の「検査漏れ」により、給食を出した後に発覚、保護者にはおわびと経緯を説明する文書を送ったという。
 同会によると、提供先は同市以外にもあるが、非公表としている。ただ、「問題」の梅干しは17ベクレル、冷凍大豆は16ベクレルで、独自の基準を超えるか超えないかは市町村によってまちまちだ。
 同会は「お客さんである教委や給食センターの要求に応えられず、申し訳ない」と話す。一方、複数の市町村に食材を提供している食品販売会社の経営者は「市町村によって基準が異なると、微量の放射能が検出された場合にどう対応していいか困る」と懸念する。子どもの安全・安心をめぐっては、教育現場だけではなく、業者の混乱も続いている。
(大月規義)

 ■市町村が採用する学校給食の放射能安全基準
市町村   基準
----------------
福島市   20
会津若松市 10
郡山市   10
いわき市  20
白河市   25
須賀川市  10
喜多方市  国
相馬市   10
二本松市  10
田村市   25
南相馬市  10
伊達市   20
本宮市   10
桑折町   20
国見町   20
川俣町   20
大玉村   10
鏡石町   30
天栄村   20
下郷町   25
檜枝岐村  50
只見町    2
南会津町  10
北塩原村  10
西会津町  30
磐梯町   国
猪苗代町  20
会津坂下町 30
湯川村   10
柳津町   国
三島町   国
金山町   20
昭和村   文
会津美里町 国
西郷村   20
泉崎村   10
中島村   20
矢吹町   10
棚倉町   20
矢祭町   20
塙町    20
鮫川村    2
石川町   30
玉川村   10
平田村   10
浅川町   10
古殿町    2
三春町   20
小野町   20
広野町   10
楢葉町   30
河内村   15
新地町   国
  *
 基準値の単位は給食1キロ当たりのベクレル、「国」は国の基準で一般食品1キロ当たり100ベクレル、「文」は文部科学省が示した目安で同40ベクレル以下。三島町は小中学校は給食ではなく弁当。学校が再開できない町村は除いた。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
米の全量検査とその信頼性について kohnoのブログ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる